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大会レポート

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第39回 ROBO-ONEロボワン
第23回 ROBO-ONE Lightロボワンライト
第8回 ROBO-ONE autoロボワンオート

2021年9月25日、26日の2日間にわたり、二足歩行ロボット格闘競技大会「ROBO-ONE」の第39回大会、および第23回「ROBO-ONE Light」、第8回「ROBO-ONE auto」が開催されました。3大会連続のリモート開催となった今大会では、3kgまでのロボットが参加できる「ROBO-ONE」に47機、公認市販ロボットと1kg以下の自作ロボットに限定される「ROBO-ONE Light」に53機、人間の操作によらず、ロボットが搭載されたセンサーを駆使して動作する「ROBO-ONE auto」に11機と、リモート開催となってからの最多参加機体数を記録。韓国・台湾からも延べ7機が参加し、国際大会として時差と空間を超えた熱い戦いが繰り広げられました。

1日目、まずは市販ロボットが多くエントリーする「ROBO-ONE Light」が開幕しました。前大会より4機参加が増え、53機で争われた大会は、異なる技に挑戦していただくために「準決勝以降、前の試合で使用した大技(3点)が1つ使えなくなる」という新たなルールが設けられました。ダミーロボットの片腕を担ぎ上げて投げ飛ばす“一本背負い”で3位に食い込んだ『きゅうび』(COVE FAMILY)を筆頭に、各参加者が頭をひねって作り出した大技が飛び交う戦いは、オンライン中継によって全世界に興奮を巻き起こしていました。

決勝戦は2連覇中の自作ロボット『旋風丸二代目改』(DrGIY)と、家族同士で対決し準決勝を勝ち上がった市販ロボット『らいさま』(COVE FAMILY)の顔合わせとなりました。安定した3点の大技を4種類持つ『旋風丸二代目改』に対し、『らいさま』は3ラウンド目で初披露となる大技“燕返し”を宣言するも、失敗! 『旋風丸二代目改』は通常のパンチ攻撃による1点でも勝てる圧倒的有利な状況になりましたが、制作者こだわりの技“うっちゃり”を決め、優勝を果たしました。

1日目に同時開催となったのは、およそ1年ぶりに開催された「ROBO-ONE auto」です。その間にプログラムが熟成された実績機が揃ったこともあり、標的のダミーロボットはかなりの高精度で認識されていました。機械学習で得られたデータをもとにダミーロボットを認識させた『フランくん』(technoRAT)は、前回優勝チーム・トリプルアイズ with 大阪工業大学の『Robovie-Z White』を破って決勝進出。一方、前回準優勝だった『コビス』(ビスコ)は、逆転に次ぐ逆転で決勝に勝ち上がってきました。決勝では先にポイントを取ってリードした『フランくん』のハードウェアにトラブルが発生し、ここでも『コビス』が逆転勝ちを収めて、第1回大会以来となる「ROBO-ONE auto」優勝を飾りました。

2日目には「ROBO-ONE」が開催。「ROBO-ONE Light」と同様「準決勝以降における技の制限」がかかる中、最大3kgという大型かつパワフルな機体がどんな大技を披露してくれるのか、1戦1戦が見逃せない戦いとなりました。

まず開催された「床運動」による予選には47機が参加。片手倒立で4点を獲得したロボット、180°以上の回転ジャンプを見せて4点を獲得したロボットなどが複数現れました。予選1位を獲得したのは、歩行・倒立・回転ジャンプ・前転の4部門合計で13点を獲得した『三代目ヨコヅナグレート不知火』(DrGIY)。美しいスキップでの“歩行”が評価された5点を足掛かりに単独トップを決めました。

決勝トーナメントには47機が進出。『三代目ヨコヅナグレート不知火』はダミーロボットが破損してしまうほどのパワーを発揮して、“バックドロップ”をはじめとした最高得点(3点)技を次々と決めていましたが、準決勝で立ちふさがったのが『ハードラックス』(セキ)です。「ROBO-ONE Light」と同様の技制限ルールがここで勝負を左右し、初披露の新技を繰り出した『ハードラックス』が3点技のなくなった『三代目ヨコヅナグレート不知火』を1ポイント差でかわして決勝に進みました。

決勝はどちらも初優勝をかけた『ex machina』(ツノ)との対戦になりましたが、今度は『ハードラックス』の歩行が突如不安定になってしまいます。思うように技が出せなくなった『ハードラックス』は通常攻撃で粘りを見せますが、『ex machina』が非常に美しい3点技の“巴投げ”と“バックドロップ”を確実に決めてリードを拡大。ROBO-ONE初優勝を奪取しました。

ミスミ賞を受賞したのは、史上初の大技“ジャンプ空中頭突き”にチャレンジした『シンプルファイター』(zeno)、回転ジャンプで高評価を得て予選2位タイに食い込んだ『SERENA DIOS』(神戸市立科学技術高等高校)、リモートの画面越しでもはっきりとわかる、漆黒のシルエットが印象的だった『ソルビア』(大阪工業技術専門学校)の3機です。それぞれの姿や動きに、制作者の強いこだわりが見えていました。

新ルールの追加によって、ロボット製作者たちの想像力が加速させられ、新たな技が各所で飛び出した今大会。ダミーロボットが文字通り空中に舞って投げられる場面も珍しくありませんでした。今後の“直接バトル”でも、魅力的な大技が多く見られることを期待できる大会となりました。ミスミはこれからも、「ROBO-ONE」を通じてものづくりの熱い想いを応援します。

実況・解説者

実況・解説者

大会実況

大会実況

大会実況

大会実況

ミスミ賞受賞『ソルビア』

ミスミ賞受賞『ソルビア』

ミスミ賞受賞『シンプルファイター』

ミスミ賞受賞『シンプルファイター』

ミスミ賞受賞『SERENA DIOS』

ミスミ賞受賞『SERENA DIOS』

PHOTOS/VIDEOS