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大会レポート

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第33回 ROBO-ONEロボワン
第17回 ROBO-ONE Lightロボワンライト
第4回 ROBO-ONE autoロボワンオート

2018年9月22(土)、23日(日)の日程で、神奈川県立青少年センターにて第33回「ROBO-ONE」が開催されました。
市販のロボットキットが中心となる「ROBO-ONE Light」、自律動作で格闘競技を行う「ROBO-ONE auto」と合わせて延べ203チームが参加した今大会は、これまでないほどに先が読めない展開で、会場中が息を呑み、興奮する2日間となりました。

予測できない展開を生んだ最大の要素は、「予選の難易度アップ」。幅90cm、4.5mの直線コース上には最大10mm厚の障害物が設置されるルールでしたが、従来のアクリル板やゴム板製障害物に替えて、弾力性があり、しかも丸みのあるウレタン製ブロック障害物に変更。しかもルールによって出場ロボットの足裏サイズが縦横それぞれ5%ずつ縮小されていたため、優勝経験ロボットも含めた多くのロボットが次々と転倒、コース外へ落下する事態となったのです。

そんな中で予選1位を獲得したのは、26秒54を記録した「クロムキッド」(チーム名:Kupakuma)。連続予選1位を続けていた「Frosty」(同:FrostyDesign)はコース半ばまで高速走行を見せましたが、障害物に足を取られて転倒、落下してしまいました。前大会から「完走していない機体は決勝トーナメントに出場できない」とされていたため、最終的に決勝トーナメントに出場できたのは、コースを完走した13機と決勝出場認定権を持った9機、あわせて22機となりました。

文字通り高いハードルを越えてきた予選通過ロボットと、全国各地の認定大会で挑戦者たちをなぎ倒してきた決勝出場認定権所有ロボットがしのぎを削る決勝トーナメントは、どの戦いも目が離せない緊張感にあふれたものとなりました。決勝戦は前回チャンピオンの「Speranza」(同:立野)と「ハードラックス」(同:大阪電気通信大学 自由工房HRP)が互いに一瞬の隙を突こうとリング内をめまぐるしく駆け回り、パンチを繰り出しあう戦いが展開します。最後は「Speranza」の大技、前転蹴りが決まり、前大会に続いての連覇。雄叫びを上げる立野選手と、崩れ落ちるハードラックスの関選手のコントラストが印象に残りました。

そのほか、「ROBO-ONE Light」はROBO-ONEのレジェンド選手同士による決勝戦、「ROBO-ONE auto」では大型自作機の足元でテクテク歩き続けた市販の小型ロボットが優勝するなど、予測できない戦いが続いた2日間でしたが、一度リングを離れれば、ロボットとものづくりを愛する仲間同士の交流がそこかしこで行われていました。

特に第30回大会以来の再訪となるチリからの出場選手と総勢12機という大軍団でやってきた台湾からの遠征チーム、そして日本を代表する2大高校生チーム(神戸科学技術高校・飛騨神岡高校)の部長さんを加えたエキシビションマッチは、その代表でしょう。残念ながらロボットの調整が間に合わず、エントリーのみだったカナダのautoチームも、次回はきっと来日してくれるはずです。

ロボットの未来を見据えて、大会ごとにより難しい課題を提示してきたROBO-ONE。新しい技術への挑戦とものづくりに賭ける選手たちの熱い思いを、ミスミはこれからも応援していきます。

予選1位を獲得した“クロムキッド”

予選1位を獲得した“クロムキッド”

予選を突破した“Neutrino-Azul”

予選を突破した“Neutrino-Azul”

ROBO-ONE 決勝の2台

ROBO-ONE 決勝の2台

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