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大会レポート

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第35回 ROBO-ONEロボワン
第19回 ROBO-ONE Lightロボワンライト
第5回 ROBO-ONE autoロボワンオート

2019年9月28日から29日の2日間にわたって、神奈川県立青少年センターを舞台に、自作二足歩行ロボットによる格闘競技大会、第35回「ROBO-ONE(ロボワン)」が開催されました。

市販のロボットキットをベースに製作された機体同士で戦う、第19回「ROBO-ONE Light」、自律動作で格闘競技を行う、第5回「ROBO-ONE auto」とあわせて、延べ240機ものエントリーがあった今大会。年々拡大していく大会規模もさることながら、第一回大会から18年という時を越えて進化し続けてきた、一体一体のロボットが魅せるパフォーマンスの高さには、隔世の感があります。

前回大会から1年の開発準備期間を置き、満を持して迎えた「ROBO-ONE auto」では、より難度の上がった審査に大多数のロボットが苦戦を強いられるなか、VRや画像認識技術を搭載してクリアに至るチームが現れるなど、大きな技術の進歩がみられました。

また、そうした技術の飛躍的な進歩を裏付け、大会を盛り上げたのは、今回大会より「ROBO-ONE」予選競技として新しく採用された「床運動」です。歩行や起き上がりだけでなく、倒立、前転、体を捻りながらの回転ジャンプといったアクロバティックな動作を、人間の体操選手さながらダイナミックにクリアしていくロボットが次々に現れ、会場を魅了。これまでに増して、出場したロボットにも熱いヒューマニティが感じられた大会となりました。

予選の床運動競技を独創性あふれる技で勝ち抜いたロボット達が挑む本戦は、ノックアウト方式の格闘競技。32機のユニークな技と技がぶつかり合う、ロボット同士のハイレベルな戦いのなか、見事王座を勝ち取ったのは、前回大会から更なるパワーアップを遂げたディフェンディング・チャンピオン『キング・プニ』でした。決勝戦では、延長戦にもつれ込む激闘の末、「除雪機」の異名をとる奇抜なアームを武器とする『りんぼ』の一瞬の隙をつく渾身のパンチでリングに沈め、連覇を果たしました。

また、正統派ロボット同士の対決となった3位決定戦では、台湾チームを代表して表彰台入りを目指した『アンサニ7号』を、その長いリーチから繰り出されるパンチを軽いサイドステップで巧みに交わしながらカウンターのストレートで下した『VANZACK』が勝利。見事3位の座を手にしました。

今回「ミスミ賞」に選ばれたのは、プロレスラーさながら、攻撃のたびに発せられるエフェクト音で会場を大いに沸かせた『BJ05 ASURA』、丁寧にトラスを組みながら肉抜きされたシルバーの躯体と、爽やかなブルーとのコントラストが印象的だった『LUMINOUS』、神戸市立科学技術高校の3人1組による見事なチームワークで完成した、西洋の甲冑を思わせる洗練されたデザインのロボット『ナハトムジーク』の3体。三者三様の個性で大会を盛り上げた3チームが、そのチャレンジ精神や独創性から窺えるものづくりの情熱を称えて表彰されました。

様々な国や地域の境界を越え、グローバル化にむかって突き進む「ROBO-ONE」。今大会中には、2020年9月に「ROBO-ONE World Championship」の開幕が発表され、日本に加え、韓国・台湾・青島(中国)・チリの計5つの地域から出場することが明らかになりました。さらには、翌2021年大会の開催地が台湾となることが大会当日に台湾の主催団体から発表されるなど、世界大会「ROBO-ONE」の発展の兆しを感じさせてくれました。

国籍や言葉、年齢、性別といった様々なボーダーを越え、出場選手同士の「技」と「想い」が交ざり合い、ますます刺激的な大会へとパワーアップしていく「ROBO-ONE」。そのすべての原動力となる「ものづくりの熱い想い」を、ミスミはこれからも応援していきます。

大会会場となった神奈川県立青少年センター

大会会場となった神奈川県立青少年センター

新しい予選競技「床運動」

新しい予選競技「床運動」

決勝戦(左:りんぼ 右:キング・プニ)

決勝戦(左:りんぼ 右:キング・プニ)

ROBO-ONE 海外主催団体からの挨拶

ROBO-ONE 海外主催団体からの挨拶

ミスミ賞受賞3機(左から『ナハトムジーク』『LUMINOUS』『BJ05 ASURA』)

ミスミ賞受賞3機(左から『ナハトムジーク』『LUMINOUS』『BJ05 ASURA』)

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