CORPORATE PHILOSOPHY 企業方針

社長メッセージ

事業モデル革新と持続成長に不可欠な投資を厳選し、継続実行していきます。

世界的に厳しい市場環境

 ミスミグループは2019年度初頭、製造業を取り巻く当面の市況を、「米中貿易摩擦の長期化懸念により中国経済は不透明感」「短期的には世界的な景気減速への懸念あり」と見立てていました。しかし現在、市場環境は私たちが当初見立てた以上に悪化しており、当社の業績にも深刻な影響を及ぼしています。中国に加えて、日本・欧州でも需要減少の影響を大きく受け、2019年度上期の連結売上高は1,571億円と、前年同期比5.7%の減収になりました。需要の減少を踏まえて、海外物流拠点新設などへの投資時期を見直し、収益構造の改善にも着手しましたが、営業利益は前年同期比26.2%減の117億円となりました。経常利益は115億円(前年同期比27.6%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は85億円(前年同期比26.5%減)となりました。

 製造業の低迷が続く中にあっても、当社グループは「グローバル確実短納期」という事業モデルの優位性を活かし、より強固な顧客基盤の構築に努めています。全世界の顧客数は、直近1年間で9.8%増加しており、景気回復時に再成長を可能にする下地を形成しつつあります。私たちは製造業で進む「デジタルものづくり」の潮流は不変であると捉え、これに適合したモデル革新への先行投資を、厳選しつつ継続していきます。

 当社グループの歩みを振り返りますと、現在の戦略的な経営体制を確立した2001年からの年平均成長率は11%、世界経済が危機に見舞われた2009年以降では14%にもなります。私は今回のような市況低迷の中でも、以上の取り組みによって自助努力による成長を可能とする強固な体質を構築していく考えです。

ミスミグループの業績推移

ミスミグループの業績推移ミスミグループの業績推移

下期は海外市場での増収を計画。通期業績は下方修正

 2019年度下期は、FA事業、VONA(※)事業の品揃えを拡大し、国内、東南アジア、北米市場などで増収を計画しています。ただし2019年度通期の連結業績見通しについては、現在の市場環境や需要動向を考慮し、売上高については前年並みの3,265億円、期初の計画に対しては8%の下方修正をしました。営業利益は期初の計画に対して21.8%減となる277億円としました。
(※)VONA:Variation & One-stop by New Alliance。ミスミブランド以外の他社商品も含めた生産設備関連部品、製造副資材やMRO(消耗品)などを販売する事業。

 配当金につきましては、配当性向25%を基準に決定しており、中間配当金は1株当たり7円51銭(前年同期比2円70銭減)とさせていただきました。年間配当は前年比3.47円の減少となる17円73銭を見込んでいます。

ITと製造業ニーズへの対応力を併せ持ち、「生産材e流通革命」を目指す

 事業基盤については、「確実短納期」の信頼性向上をねらいとしたITシステムのクラウド化を計画通りに進めていますが、基幹システムの全面刷新は2020年度以降に延伸しました。まずはクラウド化によるコスト低減の効果を刈り取ることを優先したものです。物流体制に関しては、2019年9月に本格稼働させた中日本流通センターと、2020年1月に移転して規模を拡張する東日本流通センターを皮切りに、本格的な自働化による新たな物流モデルを構築します。このモデルを海外拠点にも展開し、生産性の向上と確実短納期の強化を同時に追求していきます。

 メーカー事業では、部品の3D CADデータをアップロードするだけで、即時の見積もりと最短1日出荷を可能にする「meviy(メヴィー)」のサービスに樹脂素材の商品を追加して、品揃えを拡充しました。今後もさらなる商品領域の拡大や生産機能を強化することで成長を加速させていきます。

 今期の主な施策として、物流拠点の拡充、およびITシステムの完全クラウド化により「確実短納期」をさらに強化し、安定性・信頼性を一層高めていきます。また、地域別の顧客ニーズに最適化した新ECサイトのグローバル展開も着実に進めていきます。各国ごとに顧客が見慣れたサイトデザインを採用したことで、アクセス数が増加するなどの効果が早くも出始めています。

 VONA事業では、この半年間で取扱商品の総数を2,670万点から2,940万点へと拡大させ、製造業向け流通事業者の中では世界最大規模を維持しています。今年度は中国とタイで「半日配送サービス」を開始し、お客さまから高い評価を獲得しました。現在は、韓国、ベトナム、インドネシアでの展開を進めています。

 ミスミグループは、メーカー事業と流通事業を併せ持つ競争優位性を活かしながら、グローバルで進む「デジタルものづくり」に適合したモデル革新を追求していくことで、製造業への対応力と、ITへの対応力を強化し、「生産材e流通革命」を目指します。

代表取締役社長大野 龍隆