株式会社ミスミグループ本社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:大野龍隆)は、ミスミECサイトでの納期調整や見積時間の待ち時間をゼロとする、生産間接材購買プロセスDX革新「D-JIT」*1を2024年4月15日より本格運用いたします。これにより国内外400社超のサプライヤーさまの在庫状況や工場の生産キャパシティの情報を最速リアルタイムでサイバーネットワーク化することが可能になりました。
ミスミは、お客さまの希望数量に対し、世界中に点在する複数のサプライヤー在庫を瞬時に組み合わせ、価格と納期を自動で表示するアルゴリズムを開発。これによりミスミECサイト上でお客さまへ提供可能な数量も大幅に増加します。大口の購買需要の高まりや、世界的なサプライチェーンの不安定化を背景に、購買の長年の課題である「ほしい商品が、ほしい納期内に、ほしい数だけ揃わない」という状況を解消。部品を提供するメーカーさま・サプライヤーさまにとっても、利益向上、非効率の解消にもつながる、三方よしの新サービスです。
また、D-JITはmeviy(メビー)、エコノミーシリーズに次ぐ、ミスミデジタルモデル化第3弾の位置づけとなり、生産間接材の売買を成立させるEC1.0に対して、お客さまの生産性を向上させるEC2.0の世界を牽引していきます。
- ※1
-
D-JIT:「デジタル版のJust in Time」の意
背景
背景
ものづくりに欠かせない自動化装置の製造には、見積もりから納品まで多くの工程があります。購買部門が行う「部品購買」もそのひとつで、装置設計に基づいて作られた数百行の部品表を基に、数十~数百社の仕入先から部品を調達します。その際、総部品点数の数%は「希望納期と合わない」「希望数量を確保できない」といったケースが発生します*2。必要な部品が1点でも揃わない場合、装置の製造は不可能なため、新しい仕入先を探す、ECサイトを検索して回るなどの膨大な調整業務が発生、見つからない場合には設計部門に依頼し、装置設計自体の変更を依頼する事態となります。
- ※2
-
当社調べ
<部品表の作成と仕入先への振り分け>
<部品表の作成と仕入先への振り分け>
なぜ市場在庫は簡単に見つからないのか。背景には長年解決されずにいた流通の構造的課題が存在します。
- ①
-
「商品・部品のメーカー」は大量の個別注文には対応出来ないことから大手に限り販売してきた
- ②
-
「卸」は自らの顧客である代理店・二次店と競合するため、特定の一社への直販が出来ない
- ③
-
「代理店・二次店」は市場の問題を認識するも、在庫管理システム構築・運用のノウハウ・資金力が不足し、構造転換には至らず
<流通の構造的課題>
<流通の構造的課題>
D-JITの革新性
D-JITの革新性
D-JITは国内外400社超のサプライヤーとのサイバーネットワークを構築し、在庫情報や工場の生産キャパシティを連携することで、この流通の構造的課題を解決します。お客さまがミスミECサイト上で必要とする数量を入力した際、リアルタイムで各社のデータを連携、サプライヤーに点在する在庫を瞬時に引き当て、価格・最短納期を自動で表示します。お客さまはこれまで通りミスミECサイトを使用するだけで、「ほしい商品を、ほしい納期で、ほしい数だけ」ワンストップで購入することが可能となります。
調達ネットワークを束ねる新基幹システム
調達ネットワークを束ねる新基幹システム
D-JIT実現の背景として、各サプライヤーさまから在庫情報連携の理解が得られたことに加え、当社の基幹システムの刷新が大きく寄与しています。新基幹システム「NEWTON(ニュートン)」は散在する在庫をリアルタイムで積算するとともに、お客さまは変らずにECサイトをお使いいただけます。最新のマルチクラウド技術の導入や受発注システムのマイクロサービス化を組み合わせ、22年より台湾、タイの各現地法人にて導入、そして2024年3月上旬に日本で本格導入が完了しました。この先進的なIT基盤の整備により世界に散らばるサプライヤーさまの在庫を最適な組み合わせで積算し、お客さまに最短納期を提示する高度な自動化システムが実現しました。
<対応数量の拡大と納期の短縮例>
<対応数量の拡大と納期の短縮例>
<ミスミEC画面上での見積表記>
<ミスミEC画面上での見積表記>
D-JITで狙う三方よしの姿
D-JITで狙う三方よしの姿
- お客さま
-
購買プロセスの効率化、手持ち在庫の削減
- サプライヤーさま
-
既存商圏外の需要獲得、グローバル販路拡大、在庫の効率運用
- ミスミ
-
BCP対応力向上、大口数量注文に対する確実短納期の向上
D-JITはこの度、日本で先行して運用開始しましたが、今後は海外にも展開を予定しております。
商品点数、対応数量の強化も推進します。
ミスミとは
ミスミとは
オートメーションの現場で必要とされる機械部品や、工具・消耗品などをグローバル32万社以上※4に販売しています。製造機能を持つメーカーと他社ブランド品を販売する商社としての顔を併せ持つ、ユニークな事業モデルとそれを支える事業基盤により、「グローバル確実短納期」を実現し、お客さまの利便性向上に貢献しています。
- ※4
-
2023年4月時点