(上列左から)長尾玲維さん、藤岡凌生さん(下列左から)木村伊吹さん、遠藤花梨さん、堀咲楽さん、池谷杏沙さん
- 団体名
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中部大学 CAT(Chubu Aerospace Team)
- 活動内容
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ハイブリッドロケット・模擬人工衛星の設計・製作・打ち上げ、大会出場、地域向けプログラミング体験会の開催
- インタビューに答えてくれた方(2026年4月現在)
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理工学部 宇宙航空学科 3年 代表 藤岡凌生さん
理工学部 宇宙航空学科 4年 前代表 長尾玲維さん
理工学部 宇宙航空学科 2年 木村伊吹さん
空へ、そして宇宙へ。学生の手で打ち上げるハイブリッドロケットと模擬、人工衛星
空へ、そして宇宙へ。学生の手で打ち上げるハイブリッドロケットと模擬、人工衛星
「3、2、1、点火」。カウントダウンの合図とともに発射音が響き、ハイブリッドロケットが飛び立つ。機体は煙を残して地上を離れ、空へ向かって上昇していく。
中部大学(愛知県春日井市)の学生団体「CAT(Chubu Aerospace Team)」はハイブリッドロケットと模擬人工衛星CanSatの開発に取り組んでいます。いずれも機体設計、部品加工、制御システムまで一貫して手掛けています。
2025年9月にはハイブリッドロケットの初打ち上げに成功し、2025年3月の種子島ロケットコンテストではCanSatの遠隔制御部門で優勝。学生たちは授業だけでは得られない実践を通じて、航空宇宙エンジニアとしての力を磨いています。
厳しい審査を越えた先にあるロケット打ち上げ
厳しい審査を越えた先にあるロケット打ち上げ
ハイブリッドロケットとは、固体燃料と液体酸化剤を組み合わせて推力を生み出す方式のロケットです。CATではCADで設計した部品を実際に加工し、パラシュートによる回収システムや地上支援設備など、ほぼすべての機構を学生の手で製作しています。機体には各種位置情報センサーも搭載し、一定の高度に達するとパラシュートが自動展開する仕組みも自ら設計・実装しています
ロケットは安全性が厳しく求められる飛翔体であるため、基本的に同じ機体を繰り返し使うことはできません。だからこそ、一回一回の打ち上げが重く、成功の価値も大きくなります。競技会への参加には、複数回の書類審査と打ち上げ前の事前審査があり、羽の角度や大きさ、ネジの凹凸といった細部まで厳しくチェックされます。こうした条件を一つずつクリアし、昨年、初めて打ち上げ成功を掴むことができました。
空き缶サイズの模擬人工衛星に一連のシステムを組み込む
空き缶サイズの模擬人工衛星に一連のシステムを組み込む
CanSatとは、空き缶サイズの模擬人工衛星です。小型衛星に必要な制御、通信、データ取得などの技術を、限られたサイズの機体に組み込みます。コンテストでは、炭酸飲料水の缶の内部に収まる小型の機体に自律制御や通信、データ取得といった機能を実装し、クレーン車で30メートル上空に持ち上げ、投下します。機体はパラシュートで減速して着地した後、パラシュートを切り離し、地上のゴールを目指して自走します。
競技の難しさは、「着地後」にあります。投下されてからゴールに向かうまでには、減速、着地、切り離し、走行という複数の動作を連続して成功させなければなりません。約50チームが参加する中、ゴールまで到達できるのはわずか5チームほど。確実に動かすには、機体の設計はもちろん、通信機能を搭載し、走行を制御するシステムを構築させる必要があります。
CATにちなみ猫をモチーフにしたCanSat
CanSat競技フロー図
そうした難度の高い競技で、CATは遠隔制御部門の頂点に立ちました。空から降り、地上を走り、ゴールへ向かう。その一連の動きを限られたサイズの中で形にすることが、CanSatのものづくりの核心です。
初心者だらけのチームが、成功をつかむまで
初心者だらけのチームが、成功をつかむまで
ハイブリッドロケットやCanSatの開発において最初に直面したのは、分野そのものに関する知見の不足でした。メンバーの多くは、入学前にものづくりの経験がほとんどありません。設計手法や開発の進め方も分からない状態からのスタートです。種子島や和歌山への遠征で他大学の団体や専門家との交流を通じて、基礎知識を一つずつ積み上げていきました。そのうえで、実際の開発では試作と失敗を繰り返しながら技術を習得していく必要がありました。さらに、設計班、電装班など役割ごとに分かれたチーム内での情報共有や未経験メンバーの育成にも苦労し、組織運営の難しさにも直面します。そうした多面的な課題を乗り越える中で連携が強まり、ロケットの打ち上げ成功やCansatでの前進につながりました。この経験は「自分たちにもできる」という確かな自信となり、次の挑戦への原動力となっています。
航空宇宙産業への夢を語る3人
遠征先の現場を支えた、ミスミのものづくり支援
遠征先の現場を支えた、ミスミのものづくり支援
ロケットやCanSatの活動では、機体開発そのものだけでなく、遠征先での作業環境づくりも重要です。種子島や和歌山といった遠隔地での実験では、限られた時間の中で機材を効率よく管理し、安全に作業を進めることが求められます。
「ミスミ学生ものづくり支援」のなかでも、特に役立ったのがツールボックスでした。打ち上げや実験に必要な道具が整理されていないと、安全性が損なわれるだけでなく、必要なものを必要なタイミングで取り出すことも難しくなります。ツールボックスは、現場での作業効率の向上と安全性の確保の両面で、大きな役割を果たしています。また、ミスミ製品の豊富な品ぞろえと納期の速さも、開発スピードを落とさず活動を前に進めるうえで欠かせない要素です。
現場において縁の下の力持ちであるツールボックス
チームの次の目標は、今年9月のハイブリッドロケット打ち上げ成功と、来年3月の種子島ロケットコンテスト出場です。航空宇宙産業が集積する愛知の地で、次世代のエンジニアたちは今日も機体と真剣に向き合い、挑戦を続けています。
集合写真