2025年度
東京科学大学 ロケット製作サークル「CREATE(クリエイト)」

「飛ぶ」ロケットを作る 苦難の先に流した涙

サークル棟の前で、(左から)内田さん、川俣さん

サークル棟の前で、(左から)内田さん、川俣さん

団体名

東京科学大学 ロケット製作サークル「CREATE(クリエイト)」

活動内容

ハイブリッドロケットの研究・製作・打ち上げ実験

インタビューに答えてくれた方(2026年4月現在)

工学院機械系3年 代表 内田大道さん
物質理工学院材料系2年  川俣風磨さん

メーカーさながらの組織体制で挑む

メーカーさながらの組織体制で挑む

東京科学大(目黒区)のロケット製作サークル「CREATE(クリエイト)」は、ハイブリッドロケットの設計・製作から燃焼試験、打ち上げまでを学生主体で行っています。部員は約40名。構造班・電装班・推進班・シミュレーション班に分かれ、それぞれが専門性を持ちながら連携する体制は、ロケットメーカーさながらの組織構成となっています。

CREATEの大きな特徴は、新入生が入部からわずか1年で、例年3月に実施される伊豆大島での共同打ち上げ実験を目標に、機体の設計から製作までを主体的に担う点にあります。上級生はその過程を支える役割に徹し、判断や技術面での支援を行いながら、新入生自身が考え、手を動かすことを重視しています。学年の上下に関わらず役割を尊重し合う文化のもとで、この経験は翌年以降の育成へとつながり、サークルとしての成長を循環させています。

またロケットは「飛ぶもの」である以上、安全性の確保は最重要です。シミュレーション班が姿勢・高度・落下地点を事前に検証し、仮にパラシュートが作動しない場合でも安全が担保される設計を徹底しています。技術と安全の両面で高い責任を伴う活動であることも、CREATEの大きな特徴です。

東京科学大ロケットサークルCREATE公式YouTube 「【新歓】東京科学大ロケットサークルCREATE_2026PV」より

飛ばせない悔しさを乗り越えて

飛ばせない悔しさを乗り越えて

機体を完成させても、必ずしも空へ届くとは限りません。打ち上げ実験に参加するには書類審査を通過する必要があり、その段階で脱落する団体も多くあります。さらに通過しても、打ち上げ前の実験期間中に技術的な課題やトラブルにより、打ち上げに至る団体は約半数にとどまります。書類審査を通過しても、半分は飛ばせない——それが当たり前の世界です。CREATEでも、近年の打ち上げでは、現地での機体審査における機体外装の不備や、発射時のエンジントラブルなどにより、製作した機体が打ち上げに至らない経験を重ねてきました。伊豆大島まで機体を運びながらも、現地での修復対応や天候不良により、やむを得ず打ち上げを断念した機体もありました。

そうした悔しさを乗り越え、2025年3月の共同打ち上げ実験では、過去の反省点を踏まえ、設計・製作・審査書作成・現地対応の各段階で確認体制を強化し、ついに打ち上げ成功を果たしました。発射台での待機の時間、飛ぶ前から涙を見せていたのは、新入生ではなくまさかの上級生でした。それは、自分たちの代では成し遂げられなかった打ち上げを、新入生がやり遂げたことに対する思いによるものです。一方で、新入生からは「設計で迷ったときに背中を押してくれたのは上級生でした」「自分たちだけではここまで来られなかった」といった声もあり、その支えへの感謝を胸に打ち上げに臨んでいました。学年を越えて支え合ってきた取り組みが、確かな成果として結実した瞬間でした。この経験は、次の世代へと着実に受け継がれていきます。

次の目標は、8月に秋田県能代市で開催される能代宇宙イベントでの打ち上げです。姿勢制御をはじめとする新たな技術の確立を目指し、さらなる挑戦を続けています。

インタビューに応じる、(左から)川俣さん、内田さん

インタビューに応じる、(左から)川俣さん、内田さん

「ものづくりの裾野を広げる一助に」――支えとともに広がる挑戦

「ものづくりの裾野を広げる一助に」――支えとともに広がる挑戦

私たちが重視しているのは、学生のうちから「実際に手を動かして作る経験」を積むことです。机上の知識だけでなく、試して、失敗し、改善するという過程を通じて得られる理解や成功体験は、将来のものづくりに直結すると考えています。さらに、技術として世の中に役立つことと、ロケット開発の面白さやロマンを追求することを両輪として取り組んでいます。

私たちが今取り組んでいることは、まだまだ小さな取り組みかもしれません。しかし、小さな団体がものづくりに挑戦し、その中で成功体験を積み重ねていくことが、ものづくり全体の底上げにつながると考えています。こうした小さな挑戦が広がることで、結果として技術の裾野が広がっていく——その一助になりたいという思いで活動を続けています。

その挑戦を支えているのが、ミスミの学生ものづくり支援です。アルミ材やネジ類などの部品を中心に支援をしていただきました。発注から納品までのスピードの速さは、開発の進行に直接影響しています。必要な部品がすぐ手に入る環境があることで、「思いついたことを一旦やってみよう」という行動につながり、挑戦の幅が広がっています。また、ロケット製作では多品種少量の部品が必要になりますが、ミスミはそれに対応できる点も大きな価値となっており、ミスミがなければ正直成り立ちません。日頃のご支援に心より感謝しています。今後もミスミのサービスを活用しながら、ものづくりに挑戦し続けていきます!

CREATEのメンバー

CREATEのメンバー

ミスミの部品が活用されている実験設備

ミスミの部品が活用されている実験設備

CREATE特注の作業着

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