顧客への提供価値

ミスミの事業と「時間価値」とは

更なる“オートメーション”ニーズの拡大

更なる“オートメーション”ニーズの拡大

経済のグローバル化に伴う品質・コスト競争激化や、労働力人口減少による人件費向上などを背景に、産業プロセスの自動化・省力化ニーズが世界的に高まっています。その自動化・省力化を推し進めるインダストリアル・オートメーション産業が、ミスミのお客さまです。
例えば、製品を生産する工場の中では、生産設備、生産ラインが稼働しています。この生産設備、生産ラインをコンピューターで制御して生産を自動化することもインダストリアル・オートメーションの一例です。インダストリアル・オートメーションは自動車、電気機器、半導体、食品、化学、繊維、医療機器、物流、農業など幅広い産業で自動化・省力化を推進し、社会の持続的発展に寄与しています。

オートメーションを支えるミスミの「時間価値」提供

オートメーションを支えるミスミの「時間価値」提供

例えば生産自動化設備の製作には数百~数千種類の部品・部材が必要ですが、その中には設備に合わせた特注製作が必要な部品が数多くあります。お客さまは特注製作が必要な部品ごとに図面を描き、さまざまな加工依頼先と個別に納期や価格を交渉した上で、品質確認をするなど、調達に膨大な手間と時間がかかっていました。特注製作が必要ない部品・副資材・消耗品も、その種類別に取引先が異なるため個別に価格・納期調整を行っており、やはり多くの時間が必要でした。
ミスミはこれまで特注品だった部品の標準化やワンストップ購買、デジタルものづくりの推進、確実短納期の遵守などにより、お客さまの非効率・ムダを「時間」にかかる問題の解消に貢献しています。

1.部品の標準化

1.部品の標準化

ミスミではお客さまが必要とされる部品の多くを「標準化」しています。お客さまは部品注文のために図面を描くことなく、オンラインカタログで必要な部品の型番やサイズを指定するだけで選定した商品の価格や納期をすぐに確認し、注文を完了することができます。
部品のサイズはミクロン(1mmの千分の一)単位で指定できるため、サイズ違いを含めるとバリエーションは1兆の800億倍(800垓)におよびます。
この「標準化」により、ミスミはお客さまの調達にかかる手間と時間を大幅に削減しています。

2.ワンストップ購買

2.ワンストップ購買

自動化設備・装置を稼働する際には、工具や手袋、パーツクリーナーなど生産現場で使用する製造副資材や消耗品が必要です。お客さまはそのような副資材や消耗品を、個々にメーカーや商社を探して調達する必要があり、やはり膨大な工数がかかっていました。
ミスミではお客さまが現場で使用するさまざまな部品・資材をワンストップで効率よく調達したいというニーズに応えるために、お客さまが必要なものを他社メーカー商品も含めてラインナップに揃えることで、欲しいモノを探す手間と時間を削減しています。取扱は3,324メーカー・2,070万点を超え、これによりミスミ全体での取扱商品点数は3,000万点を超えています。

3.デジタルものづくり「meviy」

3.デジタルものづくり「meviy」

お客さまがミスミの「標準品」で調達できない複雑な形状の部品は、これまで同様「特注部品」として作図~見積もり依頼~製作待ちと膨大な手間と時間を経て調達する必要がありました。ミスミは形状認識や価格算出、製造プログラミングなどにAIを駆使した機械部品調達のデジタル革命「meviy」により、特注部品でも人手を介さずにデータのみで簡単に調達することを実現しました。
meviyにお客さまが設計した3Dデータをアップロードするだけで、これまで見積もり・納期回答だけで数日かかっていた時間を“AI自動見積もり”により「数秒」に短縮、製作に数日~数週間かかっていた日数を“製造プログラム自動生成”により「最短1日」で出荷可能になります。
meviyを通じ、世界中のどこからでも簡単に特注部品を調達できるプラットフォームとして発展させ、お客さまにさらなる「時間価値」を提供していきます。

4.確実短納期を支える事業基盤

4.確実短納期を支える事業基盤

ミスミはお客さまのオートメーション活動を決して止めないため、「確実短納期」で商品をグローバルにお届けすることを最優先し、世界で戦う事業基盤の強化・拡充にさまざまな取組を行っています。
どの商品が、いつ、どこから注文を受けても1個から確実短納期で出荷できるよう、海外への進出毎に営業、物流、生産をセットにした事業基盤展開を図ることで、国毎にミスミQCT(高品質・低コスト・短納期)モデルを整えつつ、国毎の事業成長を創ってきました。顧客に最も近い工場で生産し、確実短納期で商品をお届けするだけでなく、有事の際には直ちに生産工場を切り替えることが可能となり、顧客に対する供給保証レベルが一層上がっています。
IT投資では、ミスミ事業モデルの心臓部となる新基幹システムのグローバル導入を推進し、俊敏で効率的なサービス開発に向けて取り組みを強化しています。
物流拠点については、すでに自動化を導入した中日本、欧州に加え、今後は米国や東日本、中国の拠点にも展開することで物流拠点のさらなる生産性向上を目指しています。

すべては「顧客時間価値」のために

すべては「顧客時間価値」のために

このようにミスミは、社会の持続成長に貢献するインダストリアル・オートメーション産業のお客さまに対して、「時間」に関する問題(非効率・ムダ)を解決することで、お客さまに貢献しています。ミスミの挑戦と成長がお客さまであるIA産業を発展させ、社会の持続成長を実現します。これによってIA産業の需要はさらに高まり、ミスミの成長も持続していきます。このように成長が連鎖していく経営をミスミのサステナビリティと位置づけ、「顧客時間価値」を最大化するための挑戦を続けていきます。

「顧客時間価値」を実現するための組織

「顧客時間価値」を実現するための組織

この「顧客時間価値」を継続的に向上させるために、事業、商品、サービスなどのビジネスモデルを常に進化・発展させるとともに、それらを支える生産・物流・ITなどの事業基盤強化、人材基盤構築に取り組んでいます。
ミスミグループは、メーカー事業である「FA事業」・「金型部品事業」と、生産・自動化の現場で使用する副資材から消耗品まで幅広い商品群を販売する流通事業「VONA事業」を併せ持ち、それら事業を支える事業基盤(プラットフォーム)として、ITや物流、生産などの機能を持つユニークな業態となっています。
「FA事業」では自動機の標準部品※を主に扱い、「金型部品事業」では自動車や電子・電気機器などの金型部品を扱っています。そして流通事業「VONA事業」ではミスミブランド以外の他社商品も含めた生産設備関連部品、製造副資材やMRO(消耗品)などを販売しています。

ミスミグループの主な取扱製品

ミスミグループの主な取扱製品

社員への提供価値

人事制度や働く環境

ミスミの成長は、社員一人ひとりの成長によってのみ実現されます。「顧客時間価値」への挑戦の成果が顧客と社会に持続的成長をもたらし、社員により大きな成長機会をもたらすよう、成長が連鎖していく姿を目指した制度・環境を整えています。