支援団体インタビュー

2023年度

大阪公立大学

堺・風車の会(WindMill Club)

インタビューイメージ

【活動内容】

毎年琵琶湖で開催される鳥人間コンテストに出場し、記録更新と優勝を目指して密度の高い活動を行っています。

■堺・風車の会(WindMill Club)公式HP
https://www.sakai-fusha.com/

【インタビューに答えてくれた方】(2024年10月現在)

上田 森慈さん(代表・胴体設計/大阪公立大学工学部応用化学科 3年)

『ミスミ学生ものづくり支援』を
利用して

今回は、毎年夏に琵琶湖で行われる鳥人間コンテスト人力プロペラ機部門へ出場し、チーム記録の更新・優勝を目標に活動している大阪公立大学 堺・風車の会(WindMill Club)代表・胴体設計をされている上田 森慈さんにお話をお伺いしました。

今回「ミスミ学生ものづくり支援」ではパーツクリーナーや各種接着剤、ビニール手袋などを注文しました。ミスミのパーツクリーナーは揮発性が良く、金属部品をはじめとしたパーツを洗浄に使うと汚れが良く落ち、かつすぐに揮発してベタベタしないので長く愛用しています。MISUMI ECサイトは取扱商品が多いのでソート機能を使いつつベストなものを選ぶことができます。

また、多くの商品でCADデータがダウンロードできるので購入前や設計時にメーカーホームページに行かなくてもデータを使って確認することができて便利です。サイトのUIもわかりやすくて使いやすいです。

インタビューイメージ学生ものづくり支援で購入したミスミ商品

鳥人間コンテストへの挑戦 - 30年の伝統と革新

毎年夏に琵琶湖で行われる鳥人間コンテストの人力プロペラ機部門に出場し、チーム記録の更新と優勝を目標に活動しています。人力飛行機の設計・製作・試験飛行を自分たちで一年間かけて行い、パイロットも部員から選び一年間の厳しいトレーニングに取り組みます。チームコンセプトとして、毎年パイロットと機体を新しくして飛ぶことを掲げています。毎年機体を作り替えるため、時間的余裕は少ないですが、密度の高い活動を毎日行っています。

30年前に堺の町おこし事業として発足したこのクラブは、今までに26回鳥人間コンテストに出場、6回の優勝経験があります。チームの伝統で中ペラ機(主翼と尾翼の間にプロペラがある機体。鳥人間コンテストに出場する機体では、主翼の前にプロペラがある前ペラ機が主流で、中ペラ機は珍しい)を採用し、主翼にプロペラで乱れた風が当たることを防ぎ、尾翼の利きを良くしています。

インタビューイメージペダルを漕ぐ力をプロペラに伝える駆動部品

琵琶湖上の風は例年場所や時間で吹く強さが大きく異なり、少しの風でも影響を受ける人力飛行機にとっては厳しい環境です。機速を8.0m/s(対気速度。鳥人間コンテストに出場する中では早い部類)にし、少しでも風による影響を小さくしました。

ここ数年間、鳥人間コンテストで結果を残せておらず、また幹部代(代表や設計、作業班長を担う学年。現3年)が3人と少なく、昨年の夏の新チームの始動は厳しいものでした。まずここ数年の不振の原因を考察し、主翼の空力中心と風圧中心の位置関係が大きな要因であると考え、見直しを図りました。クラブ設立から30年間で積み上げられてきた資料を各パーツ設計者が読んで新機体に活かす温故知新を重視しました。

これらの沢山の経験が実りを結び、2024年の大会では大阪公立大学 堺・風車の会として人力プロペラ機部門で13.3kmの飛行をし、第4位という結果を残すことができました。

インタビューイメージプロペラの制作風景

ものづくりの喜びと次世代への継承

入部してから2年半、ものづくりの楽しさを改めて実感しました。設計や製作で得た知識や経験も大切ですが、自分の頭で考え、自分の手で製作し、それが実際に動いたり機能したりした瞬間の喜びは忘れられない思い出です。私個人としては大学で化学を専攻しており、将来この知識や経験が直接活きるかはわかりませんが、自分で考えて手を動かしてやってみる姿勢は忘れずにいたいです。

この夏で引退となりますが、引退後も自分の知識や技術を後輩たちに引き継いでいきたいです。チームとしては、後輩たちには引き続き鳥人間コンテストでの結果を目指して努力してもらいたいです。このチームは堺市内の様々な企業やOB・OG等のチーム関係者の協力で成り立っているため、チームに関わるすべての人たちの思いを背負って常に新しいものを求める姿勢を忘れず活動していきたいです。

インタビューイメージ

最後に、「ミスミ学生ものづくり支援」と「ものづくりに取り組む学生のみなさん」へ
メッセージをいただきましたのでご紹介します。

今年度「ミスミ学生ものづくり支援」で特別支援団体に選定していただきありがとうございました。支援して頂いた物品は大切に長く使わせていただきます。
人力飛行機に限らず、ものづくりをしている人には難しいことや大変なこともあると思いますがそれを乗り越えた先に楽しさや結果があると信じて、考え続けて手を動かし続けてほしいです。
特にチームでものづくりをしている学生はこんなにもみんなで同じ目標に向かって活動できる機会は人生でも少ないと思うので楽しんで悔いのないように日々活動していってほしいです。皆さんが作ったものをいつか、どこかで見られることを楽しみに願っております。