支援団体インタビュー
2023年度
東京工科大学
光・エネルギー研究室
【インタビューに答えてくれた方】(2024年10月現在)
金井 秀太さん(工学研究科 サステイナブル工学専攻 光・エネルギー研究室 修士 2年)
宇井 翔太さん(工学研究科 サステイナブル工学専攻 光・エネルギー研究室 修士 1年)
河原崎 祐作さん(工学研究科 サステイナブル工学専攻 光・エネルギー研究室 修士 1年)
山田 涼太さん(工学研究科 サステイナブル工学専攻 光・エネルギー研究室 修士 1年)
『ミスミ学生ものづくり支援』を
利用して
今回は、電力を使わず太陽光のみでレーザー光線を作る「太陽光励起レーザー」の実用化を目指し活動している、東京工科大学 光・エネルギー研究室の金井秀太さん、宇井翔太さん、河原崎祐作さん、山田涼太さんにお話をお伺いしました。
ミスミ学生ものづくり支援では、主に光を集めて圧縮する作用を生み出すキャビティを加工するための工具類を中心に注文させていただきました。キャビティ加工用のエンドミル、加工精度を測るダイアルテコゲージ、性能の良いはんだごて、設計で使用するディスプレイなど、加工をする上で必要な商品を注文し活用しています。
また、太陽光励起レーザーの装置はほとんどがミスミの製品で作られています。装置を加工する際、角パイプを使陽その都度解体する必要がありますが、角パイプでは加工に時間がかかります。一方、ミスミのアルミフレームを使用することで装置を解体することなく簡単に加工できるため、その使い勝手の良さには大変助かっています。

太陽光エネルギーで持続可能な社会の実現を目指す
実用化に向けた課題として、主に変換効率の低さが挙げられます。太陽光励起レーザーには、集光のための装置が2つあります。
1つ目はフレネルレンズで、大まかに太陽光を集光する役割を持っています。2つ目は太陽光キャビティで、フレネルレンズで集光した光をさらに集めて圧縮し、レーザーを発振する仕組みです。
私たちの研究室は、変換効率を上げるため、2つ目の太陽光キャビティの形状に注目して研究を行っています。より多くの太陽光を集光し、効率よくレーザーを発振できる形状をシミュレーションソフトで計算しキャビティを作成、実験で得た数値をもとに改良を重ねています。
太陽光は枯渇する心配がなく、さらに二酸化炭素の排出など環境への影響もほとんどありません。太陽光励起レーザーの実用化が実現すれば、自然由来のエネルギーを利用し、持続可能な社会の実現を目指すことができます。


「変換効率世界一の更新」を目標に改良を続ける
現在は、新しいキャビティの設計を行っています。シミュレーションソフトでは効率の良い結果が出ているため、実験を行い良い数値が出れば対外発表を行いたいと考えています。変換効率世界一の更新を目標に、キャビティの改良を軸に装置のアライメントや光軸合わせなど細かい調整を突き詰め、身近な改良から取り組んでいきたいと思います。
横着せず地道に、活動の中で大切にしたい想い
研究室では、世の中に役立つ良いものを作るために宝探しをするのではなく、地道に理論と向き合ってどうすれば良くなるのかを横着せずに考える事を大切に活動しています。良い結果を出すためにはどうすればよいのか仮説を立て、仮説が正しいかを検証をする。結果をもとに考察を立て、理論建てていくことで更に良くなるにはどうしたらよいのか、改めて仮説を立てる。このループを横着せず、地道に活動を続けていきたいと思います。

最後に、「ミスミ学生ものづくり支援」と「ものづくりに取り組む学生のみなさん」へ
メッセージをいただきましたのでご紹介します。
予算はどこにいっても無限ではありません。何かを作ろうとしても、予算を見て諦めることは珍しい話ではないと思います。そんな中で加工に必要な工具、加工するための材料、加工済みの材料を外注するサービスなど、自由度の高い状態で支援をしていただけることは本当にありがたいことだと思います。
向かう方向は違いますが、みなさんも何かをより良くしようと思い活動していると思います。一緒に頑張っていきましょう!