支援団体インタビュー

2022年度

国際火星ローバー開発チーム

KARURA

インタビューイメージ

【活動内容】

KARURAは「学生主体の国際宇宙開発の推進」をゴールに掲げ2022年9月に発足した、国際火星ローバー開発チームです。現在2024年度開催の火星ローバー国際大会である「University Rover Challenge」への出場を目指し、日々開発に取り組んでおります。

■KARURA公式HP
https://www.karura.space/

【インタビューに答えてくれた方】(2023年12月現在)

瀬戸 晴登さん(信州大学 工学部機械システム工学科3年)
石田 稜馬さん(東京大学 教養学部(前期課程) 理科一類2年)
高松 俊介さん(早稲田大学 基幹理工学部機械科学・航空宇宙学科4年)

『ミスミ学生ものづくり支援』を
利用して

今回は、2024年度開催の火星ローバー国際大会である「University Rover Challenge」への出場を目指し、開発に取り組んでいる、KARURA日本リーダーの瀬戸さん、前ビジネスリーダーの石田さん、前エンジニアリーダーの高松さんにお話をお伺いしました。

ミスミ学生ものづくり支援では、主に機械部品を支援していただきました。具体的には軸やその周りの部品、ネジなどです。これらを車体の駆動系、アームの関節など、ローバーの各所に使用させていただきました。

今回注文した商品の多くは、WebサイトからCADデータをダウンロードすることができるものでした。試作機の設計は少人数かつ短期間で行う必要があったため、CADデータが用意されているのはとてもありがたかったです。

ものづくり支援を受けて製作したローバーは、このチームで初めて作る試作機となりました。試作機とはいえ、ローバーには屋外の環境で多種多様な課題を行うことが求められます。

そこで、この試作機は、機体の堅牢さと動作の柔軟性を両立させることを意識して設計しました。車体部分は、重い車体を支えながら不整地や斜面を走行するため、実際の火星探査機にも使われた機構を参考にし、アーム部分には複数のアクチュエータを搭載することで、拾う、掴む、押すなどの動きを実現することができました。

インタビューイメージ制作中のギア部分

国際チームならではの課題に直面、
難しさを乗り越え実現したい宇宙開発

今回の試作機は、チームが取り組む初めてのものづくりということもあり、開始当初からさまざまな技術的課題がありました。

中でも大変だったことは、設計はできてもそこから実物を作るための加工方法がないという問題に直面した時です。当時はメンバーも少なく、使える工作機械も限られていました。その中で、他の加工方法で実現できるか、あるいは妥協して別の設計にするかを考え、模索するのが大変でした。

プロジェクトを通して文化の壁がある中、オンラインでものづくりをすることの難しさを痛感しました。難しさを乗り越え、国を超えた宇宙開発人材のネットワーク形成、自由な宇宙開発ができる社会を実現できるよう活動していきたいと思います。

また、火星ローバーは実際の宇宙機の開発フェーズに沿って開発しており、ものづくりにおける審査の手順なども学びました。今後は、ソフトウェアの経路探索などの場面で自分たちのオリジナリティを持たせたローバーの開発に力を入れていきます。加えて、農業用ロボットなど宇宙以外で活躍できる場面についても模索していきたいと思います。

インタビューイメージ完成した試作機のローバー

最後に、「ミスミ学生ものづくり支援」と「ものづくりに取り組む学生のみなさん」へ
メッセージをいただきましたのでご紹介します。

この度は2022年度のミスミ「学生ものづくり支援」にて「特別支援」の枠に選出していただきありがとうございます。いただいたご支援を活かすと共に、ご期待にお応えできますよう、チーム全体一丸となって取り組んで参ります。また、全てのものづくりに取り組まれている学生の方はもちろん、エンジニアリング的な背景を持たないその他の方も含め、弊団体にご興味を持ってくださる方がいらっしゃれば、お気軽にX(旧Twitter)やメールなどからお声掛けください!ぜひご交流できればと思います。