支援団体インタビュー

2016年度

筑波大学宇宙技術プロジェクト

STEP:Space TEchnology Project

先月22日に秋田県能代市で開催された、「能代宇宙イベント」でのロケット海打ち実験に向け、統合試験(リハーサル)の様子を見学させて頂きましたので、そちらを交えてご紹介いたします。

<今回インタビューに答えていただいた方々>
プロジェクトマネジャー:寺田さん(3年生)
代表:佐々木さん(2年生)

『STEP』ってどんなチーム?

2006年の設立以来約11年間、ロケットや人工衛星といった宇宙に関する技術を題材にしたものづくり活動を展開されています。 現在の所属人数は18人とロケットチームの中では決して多くはありませんが、その分一人一人が重要な役割を果たしており、活動を通して、技術的な学びは勿論、学生だけでプロジェクトを運営するという貴重な経験を積まれています。

ロケット制作へのこだわり

ロケットを制作する際、STEPチームならではのこだわりをもたれているとのことです。

寺田さん「私たちは、ロケットを高く飛ばすことよりも、毎年、新たな技術を試すことを意識しています。空気の力の活用や、GSE(ロケットの点火装置)の無線化を初めて実現するなど、他団体があまり挑戦しない独自の技術を取り込むといった方針で活動しています。」

こういった学生さんの取り組みが、日本のものづくりの未来を支えているのですね。感心いたします。引き続き、新しい技術を追求していってください。楽しみにしております!

新作ロケット「STEP13」

寺田さん「私たちが制作しているのはハイブリットロケットといい、液体または気体の酸化剤と固体燃料を組み合わせたエンジンを使用しています。ハイブリットロケットは、構造が簡単であること、火薬を使わない分安全性が高いこと、安くつくることができる、といった利点があります。」

佐々木さん「また今回の「STEP13」では、パラシュートを外に出す分離機構に大きな特徴があります。従来はサーボモーターを使用していましたが、電気関係のトラブルが多かった為、今回からコンプレッサーを利用し、空気の力で分離機構を動かすように工夫しています。これにより、不具合が起きにくいといったメリットがあります。」

寺田さん「また、設計において特に力をいれいているポイントは、ロケットのパラシュートを確実に開かせることです。分離機構には、気圧計、タイマー、地上からのコマンド送信と3つのプログラムを用意し、1つの機器が故障しても確実にパラシュートが開き、弾道落下が発生しないように工夫しています。」

今回のロケットにもメンバーのアイディアから生まれた、新たな技術が組み込まれているようです。

ロケット制作の魅力

寺田さん「やはりロケットが打ちあがった時にやりがいを感じます。全体を統括するプロジェクトマネジャーになり初めての打ち上げで、3年ぶりに打ち上げが成功した時は、思わずガッツポーズしてしまいました。」

佐々木さん「機体を作る班なので、機体が出来上がった時に達成感を感じます。同時に、機体はいろいろなものを乗せる重要な部分なので責任感も大きいですが、無事発射した際はその分やりがいを感じます。」

今回皆様の活動を拝見し、ものづくりへの積極的な姿勢や向上心、また、純粋に宇宙やロケットが好きという皆様の熱い想いを感じました。

22日の大会では、無事ロケット打ち上げが成功し、無傷でロケットを回収されたとのことです。お疲れ様でした!
今後のご活躍にも期待しております!

▼STEPチームの活動の様子は下記より詳細がご覧いただけます。
https://tsukuba-step.jimdo.com/

筑波大学宇宙技術プロジェクト STEP:Space TEchnology Project