支援団体インタビュー

2024年度

金沢工業大学

Smile for kidsプロジェクト

インタビューイメージ

【活動内容】

子供たちが創造力や技術に触れ、夢と希望を育む体験型ものづくり活動に日々取り組んでいます。

【インタビューに答えてくれた方】(2025年6月現在)

佐藤 凌平さん(開発リーダー/金沢工業大学 工学部 ロボティクス学科 2年)

夢を育む!未来の技術者たち

今回は、子供たちに夢と勇気を届けるとともに、ものづくりの楽しさを伝え、未来の技術者を育てることを目指して活動している金沢工業大学「Smile for Kids」プロジェクトの佐藤 凌平さんにお話をお伺いしました。

私たち「Smile for Kids」プロジェクトは、子供たちに夢と勇気を届けることを目的としています。もう一つの大きな目標は、工業やものづくりの世界に対する興味を育み、将来の技術者やクリエイターの芽を育てることです。

現在は子供たちに実際に体験してもらう機会はありませんが、完成した製品を通じて彼らが目を輝かせる瞬間を想像しながら「ワクワクする製品」の開発に取り組んでいます。

研究室の理念である「人々を笑顔にする新しい技術と価値の創造」のもと、子供たちが「自分も何か作ってみたい!」と感じてもらえるように、子供たちの想像力を刺激し、挑戦する心を育むことを目指しています。

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多機能コンパクト設計の挑戦

今回の試作では、シャフトやスライダーレール、バネ、モータ、アルミフレームなどをミスミ様のECサイトで調達しました。種類やサイズの選択肢が豊富で、設計の自由度が高まり、とても助かりました。

ECサイトは検索しやすく、納期も明確でスムーズに注文できるため、限られた時間で進める学生のものづくりにとって心強い存在です。研究室でも日常的にミスミ製品を活用しており、品質や信頼性の面でも安心しています。

開発において苦労したのは、限られたサイズの中に多機能な仕組みを組み込むことや、子供たちの体格差に対応するための調整機構の設計でした。また、製品の安全性や耐久性を確保しながら、操作が直感的で楽しいものにするために、何度も試作と検証を繰り返しています。

これらの課題に対して、3D CADや3Dプリンターを活用した試作、精密な部品選定、そして今後予定している体験会やイベントでのフィードバックを通じて、改良を重ねていく予定です。

コンテストに出願する都合上、製品の詳細はまだ公開できませんが、限られたスペースに複雑な機構を収める設計や子供たちの安全性と使いやすさを両立させる工夫など、技術的にも挑戦的な要素が多く含まれています。

インタビューイメージ提供していただいたフィラメントを使用し3Dプリンターで部品を制作
インタビューイメージ提供していただいたベアリングを使用し歯車を制作

子供たちの創造力を刺激する未来の体験へ

私たちは「子供たちの夢をかなえるものづくり」と「未来の技術者を育てる土壌づくり」を大切にしながら、日々活動しています。

子供たちが工業や技術の世界に興味を持ち、自分の手で何かを作る楽しさを知ることが、将来の社会を支える人づくりにつながると信じています。

今後は、開発中の製品を活かして、子供たちがものづくりに親しみを持てるようなきっかけを届けていきたいと思っています。今学んでいる設計や制御の技術を活かして、教育や福祉の分野にも役立つ製品づくりに挑戦していく予定です。

そしていつか、子供たちが「自分も作ってみたい!」と思えるような製品を通して、次の世代の技術者を育てる活動へと広げていけたらと考えています。

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ものづくりに取り組む学生のみなさんへの
メッセージをお願いします。

このプロジェクトを通じて特に強く感じたのは『人の心を動かすものづくり』の力でした。ものづくりは、アイデアを形にする過程で多くの壁にぶつかることがあります。しかし、その分、完成したときの達成感や、誰かに喜んでもらえたときの感動は、何にも代えがたいものです。情熱や好奇心があるなら、その気持ちを大切にして、あきらめずに挑戦し続けてほしいと思います。資材費や技術面など、学生ならではの悩みもあるかもしれませんが、支援制度や周囲の協力を活用することで、道は必ず開けます。私たちも支援を受けて挑戦することができました。ものづくりの楽しさと可能性を信じて、ぜひ一歩踏み出してみてください。

ミスミ学生ものづくり
支援担当より

「Smile for Kids」プロジェクトは、技術と愛情を融合させた取り組みを通じて、子供たちの未来への扉を開こうとしています。彼らの活動は、ものづくりが単なる技術ではなく、人の心に寄り添い、社会を豊かにする力であることを改めて教えてくれました。