支援団体インタビュー
2024年度
福岡工業大学 4輪2輪メンテピット
4輪2輪
【活動内容】
主に車やバイクの整備を中心とした活動を行っています。また、運転技術の向上を目的とした活動も行っています。
車両整備を通して車やバイクの車両特性を学んだり、仕組みについて理解を深めることが出来ます。
■福岡工業大学モノづくりセンター HP
https://monozukuri.fit.ac.jp/project
【インタビューに答えてくれた方】(2025年6月現在)
本田 翔梧さん(福岡工業大学 工学部 知能機械工学科 4年)
機械の奥深さを実体験で学ぶ
車両整備を通じて機械技術の奥深さを学び、実践的なスキルの習得を目指して活動している福岡工業大学4輪2輪メンテピット。今回は、この挑戦的な取り組みを推進する本田翔梧さんにお話を伺いました。
私たちは、大学のモノづくりセンターで4輪2輪メンテピットという車両整備プロジェクトに所属しており、そのプロジェクト活動として、古いバイクを新しいバイクにすることを目標に、現在は2台のバイクのレストアを行っています。
レストアとは、古いものを修復して元の状態に戻すこと、または新しい状態に近づけることを指します。私たちの活動では、まさしくレストアという、古く、捨てられようとしていたバイクを新車のような状態に仕上げていっています。
また、タイヤ交換などの体験会を開催しました。体験会に参加した学生たちからは、講義だけでは体験できない実体験であったため、実践スキルの習得ができたし楽しかったと感想をもらいました。このような実体験を通じて、機械工学の理論を実際の作業で確認できることが、私たちの活動の大きな魅力です。

時間と根気が試される復活への道のり
今回の支援では高圧洗浄機とワイヤーカップブラシをご注文しました。高圧洗浄機はホースの水の力では落とすことのできないダストの汚れを取り除くことに活用し、ワイヤーカップブラシは錆や古い塗装を落とすために活用しました。
レストア作業で最も重要なのは清掃と研磨です。錆取りや汚れを落としてそれから磨く作業に移ります。特に磨く作業は機械も使用したりしますが削りすぎるのも良くないのでヤスリを使って手で行います。古い部品などの錆を取って元の状態に戻す作業は非常に時間を費やしました。
錆や汚れに覆われた部品が、丁寧な作業によって本来の姿を取り戻していく過程は、まさに機械の魂を蘇らせる作業と言えます。時間はかかりますが、その分完成時の達成感は格別です。
技術継承と未来への挑戦
マシンには機械技術者の知識や技術がすべて詰め込まれており、それはまるで芸術品のようなものだと先生からのお言葉があり、まさしくその通りだと思います。
レストア作業を通じて、設計者の意図や当時の技術を肌で感じることができます。なぜこの部品がこの位置にあるのか、なぜこの材質が選ばれたのかといった疑問に対する答えが、実際の作業の中で見えてくるのです。私たちはそのようなマシンから多くのことを学び、吸収したいと考えています。
今後の活動予定として、体験会開催とレストア車両完成があります。現状としてエンジンやハーネスの取り外し、ホイールの塗装などの分解のままで終わっているので、今後は不動の原因解明と組み立てを行っていきます。特に組み立て工程では、分解時に学んだ知識を活かして、より深い理解を得られると期待しています。
また体験会開催については、タイヤ交換など私たちがプロジェクトで得た技術、知識を後輩に継承していきたいと思っています。実際に手を動かしながら学ぶことの価値を、より多くの学生に伝えていくことが私たちの使命だと考えています。

最後に、「ミスミ学生ものづくり支援」と「ものづくりに取り組む学生のみなさん」への
メッセージをお願いします。
このたびは『ミスミ学生ものづくり支援』において、特別支援枠にご選出いただき誠にありがとうございました。私たちのプロジェクトに対して温かいご支援を賜り、メンバー一同、心より感謝申し上げます。
ものづくりをする皆さんへ伝えたいことは、思った通りにいかなくて悩むこともあると思いますが、手を動かして、試して、また考えてを繰り返してください。その繰り返しが、いつか自分だけの作品につながります。焦らず、自分のペースで。楽しみながら、これからもものづくりを続けていってください。
ミスミ学生ものづくり
支援担当より
福岡工業大学4輪2輪メンテピットは、レストア活動を通じて機械技術の深さを学び、実践的なスキルを身につける貴重な取り組みです。彼らの活動は、理論と実践を結びつけながら、技術の継承と発展に貢献する意義深い挑戦となっています。