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第32回大会 ミスミ賞

MP-01A8 Frauフラウ Prototype

  • 松野 広幸(まつの ひろゆき)さん
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エンターテイメント性の高い機体にしたい」

Frauの特徴

Frauの特徴を教えてください。

松野さん:全て改造したオリジナルのサーボモータを使用しました。市販のサーボモータ3個分ぐらいのトルクが出せるものもあります。ただ、トルクが高いだけでなく、ギア比を変えてスピードも出せるようにしてあります。重量も軽くしました。パワーとスピードと軽さを備えたサーボモータです。パワーウェイトレシオが欲しい。そうなると自分で作るしかありません。限界まで能力を引き上げたサーボモータとするのが、オリジナルで作るところの醍醐味といえるでしょう。

そして機体は、上半身と下半身、腕や足など簡単に分解できるようになっています。元々は好きなサーボモータに交換しやすいという理由でしたが、壊れては直しというのを繰り返して今のような機体になっています。しかし、簡単に分解できるといっても外れやすいわけではありません。スライド部分で強度を持っていますが、ネジは強度を持っていない構造になっています。

MP-01A8 Frau(フラウ)

  • Record

    第25回ROBO-ONE ベスト16

  • Weight

    3.0kg

  • Height

    42cm

  • Axis

    サーボモーター18軸

ロボットを作り始めたきっかけ

ロボット作ろうと思ったきっかけは何でしょうか?

松野さん:もとはというと、幼稚園ぐらいの頃からの話になります。最初はおもちゃを分解していました。その頃は組立までは出来ませんでしたが、大きくなるにつれてできるようになりました。そして小学生ぐらいになると、簡単な工作キットを作り始めました。中学では、学校の作品展で木を使ってフレームを作り、ギアボックスなどの工作キットを使って大きなムカデ型のロボットを作りました。中学の後半ぐらいからロボット相撲のような大会に参加するようになります。高校では、ロボット部があったものの参加はせず、大学は工学系の大学へ進みました。そこでロボット研究部の先輩に誘われ、入部をしたのが2年の頃。大学では多足歩行ロボットの大会に出ていました。二足歩行ロボットをやるようになったのは大学卒業間際になります。

そもそも、多足ロボットをやり始めたときから、少しずつサーボモータの自作に取り組んでいたんです。二足歩行ロボットの大会に出られたら楽しそうだと感じてはいたのですが、多足歩行ロボットに使われるトルクの低いサーボモータでは、3kgもある二足歩行の機体は作れないと思っていました。市販のサーボモータは高くて使えないので、改造しようと考えたのです。今となっては市販のサーボモータを買うよりも高くなってしまいましたが、サーボモータの自作が楽しくなりすっかりはまってしまいました。

そして、二足歩行ロボットに使えるぐらいのサーボモータが自分で作れるようになり、大学最後のROBO-ONEの試合に出るために初めて作った機体がこの機体になります。最初にROBO-ONEへ機体を持って行った時は、大人の方々から、なんだかよくわからないがサーボモータを改造しているらしい変なのが来たぞって目で見られましたね。

松野広幸さん

ロボット作りの魅力

今後作ってみたいロボットはどんな機体でしょうか?また二足歩行ロボットの魅力などもお聞かせください。

松野さん:もっと自由に動ける機体を作りたいです。今の機体は、攻撃が強いけれどやはり足が弱いと思います。韓国の大会に出た時に、ROBO-ONEだけでなくマラソンなど他の競技がいっぱいありました。そういう大会にも出られる、エンターテイメント性が高い機体にしたいと考えています。

今はROBO-ONEのような格闘に特化した機体になっています。ただその部分を丸めてしまうとFrauではないという思いもあります。このぐらい格闘に特化した尖がった機械でありながら、見ていて面白いようなエンターテイメント性の高い機体にしていきたいです。

そして、なによりも二足歩行ロボットは、お客さんに見せた時の反応が凄くいい。小さい子供とかは特に反応がいいです。これを出しただけで盛り上がる。そこが二足歩行ロボットの魅力ではないでしょうか。

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