インタビュー
第32回大会 ミスミ賞
HAM JIYUNの特徴と、製作において難しかった点を教えてください。
Hamさん:日本選手のロボットは重いものが多いので倒すのに力が必要です。そのため、トルクの高いサーボモータを多く使用しました。パンチによる攻撃よりも、すくい上げる動きの方が効果的なので、肩の部分のサーボモータを一番強くしてあります。規定内で適した部品を設計して、腕の端に取り付けて、相手を倒すのに使用しました。また、今回の大会に向けて、前転しながら相手を蹴る、大技の回転蹴りのモーションを取り入れました。
私の所属するチームには20人ぐらいのメンバーがいて、色々な担当があります。例えば設計担当、モーションコントロール担当、プログラム担当など。今回のロボットでの私の担当は、ボディの設計と3Dプリンタでの出力、モーションのプログラミングでした。ロボットを作る際にはフレームを加工しますが、金属製品の加工は自分の手では難しいものなので、専門加工会社にお願いしています。設計のファイルを送って、何度も何度も改善して作り直してもらいました。製作ではそこが難しかった点です。
また、予選と決勝トーナメントの間の一晩で実際の競技場の床に合わせて歩行プログラムを全面修正する必要がありました。試合を終えた後も、次の試合相手を確認し、チームメンバーと相談して短い時間内に操作やプログラムの修正をしています。メンバーの協力がなければここまでの成績は不可能でした。メンバーへ感謝を伝えたいと思います。
HAM JIYUN(ハムジユン)
Record
第3回ROBO-ONE auto 3位
第32回 ROBO-ONE 決勝進出
Weight
3.0kg
Height
47cm
Axis
サーボモーター15軸
ロボットを作ろうと思ったきっかけは何でしょうか?
Hamさん:ロボットを作り始めたのは7歳の頃からです。韓国にはアフタースクールとロボットの 専門学院があり、そこで習い始めました。最初に手に取ったのは、おもちゃレベルのロボットでした。(韓国には約10社の小学生用組み立てロボット会社があります)そこからだんだん興味が広がっていき、今では専門的なロボットを勉強しています。ロボットは私の特技となりました。
所属しているチームでは唯一の女性メンバーであり、最年少のリーダーも務めています。良きライバルであり、パートナーでもあるチームのメンバーと協力して、数多くの国内外の大会に参加して経験を積み、成長しています。様々なロボットを扱っていますが、ヒューマノイドタイプのロボットはまだ経験が浅く、今回のROBO-ONEへの参加は大きな成長となりました。MISUMI賞までいただき大変光栄に思います。一緒に参加し、協力してくれたチームのメンバーとこの気持ちを分かち合いたいです。
Ham Jiyunさん
大会に参加しての感想と、将来の夢を教えてください。
Hamさん:ROBO-ONEでは、韓国でも有名なロボットが多く出場しています。日本のROBO-ONEに初めて参加し、夢に描いた日本の有名な強いロボットと対戦する機会が持てたことは大変光栄に思っています。チームメンバーと共に研究を重ねてロボットの弱点を克服し、次の大会の時には100%の力が出せるように尽くしていきます。
将来は、ロボット作りを続けて、韓国最高の女性ロボット工学者になりたい。そして、世界最高のロボット工学者になることを夢見ています。今はできないけれども、例えば火事が起きた時に火を消してくれたり、人を助けるなどの温かい心を持ったロボットを作れたらと思います。