インタビュー
第31回大会 ミスミ賞
“KAGRA-蒼”は予選でも存在感を放つ「速い歩行」が強みだと思いますが、どのような想いを持って製作されたのですか
山本:もともと Frosty(第29回ROBO-ONE ミスミ賞受賞機体)に憧れたことがきっかけで、作り始めた機体です。脚がしっかり作られているロボットは機体性能が良いことが多いため、歩行にはこだわりました。1年前に初めてROBO-ONEに出場した際は力を十分に発揮することができなかったのですが、新しい気づきを得て改良を重ねた結果、韓国で開かれた二足歩行ロボット陸上競技の国際大会で優勝することができました。
上條:名前にもこだわっています。「KAGRA」は、先日アメリカの研究者のノーベル賞受賞でも話題になった、私たちの街の飛騨市神岡町にある東京大学宇宙線研究所の重力波観測施設の名前です。KAGRA研究員の先生方からご希望を受け、この名前をいただきました。
KAGRA-蒼(カグラ-ソウ)
初出場
第29回大会
最高順位
本大会ベスト8
Weight
2.9 kg
Height
40 cm
お二人が思う二足歩行ロボットをつくる魅力はなんでしょうか
上條:二足歩行ロボットを作っていると、「人間ってすごいな」という思いにたどり着きます。ロボットは、単純な歩行という動作でも複数のモーターを使用して脚を曲げたり伸ばしたりするのに対し、人間は関節ひとつで複雑な動きができます。ロボットでは難しい動作を、人は当たり前のようにできると気づくたび、人間の構造の凄さを感じます。この凄さを知ることができるのは、二足歩行ロボットを作ることの醍醐味だと思います。
山本:あとは知れば知るほど、やりたいことが出てきて興味が尽きないことです。ロボットを作り始めて二年半になりますが、部活にいけば毎日新しい発見があるので、試してみたいことがまだまだ沢山あります。
上條 諒 さん
ROBO-ONEの経験を通じ、今後はどのようにものづくりに関わっていきたいですか
山本:ROBO-ONEを活動の中心に、私たちはこの三年間多くの経験を積むことができました。国際大会にも積極的に参加して国際交流も大切にしてきたことや、ロボットを題材にした英語のプレゼンテーション大会にも参加し、良い成績も残すことができました。この経験を糧に、大学に入ってもROBO-ONEに出場しながら、ロボットの研究に取り組みたいと考えています。
上條:私もこの半年間、高校生が大学で研究できるグローバルサイエンスキャンパスという企画にも参加し、AIについても勉強することができました。卒業後は工学部へ進学し、ロボットの人工知能化の勉強をしたいと思っています。そして、国際的に評価されるような人の役に立つロボットを作るのが夢です。
山本 静香 さん